桜もそろそろ [詩・本]

関東ではそろそろ桜も見頃を過ぎたようだ。これからは山沿いが見頃?毎年、この時期になると福島三春の滝桜を観てみたいと思うのが定番!一度も出かけた事はないのだが( ^ω^ )

「桜咲く」「桜散る」彼女はどちらなのか?その場で作って見せれば済む話なので答えはじきに出るだろう。それにしても酷い話ばかりで、この国のシステムはどうなっているのか?と思う。どの世界にも言えることだけどシステムが根っこから腐ってるんじゃないのかな。武士は食わねど…じゃないけどやせ我慢するプライドってのもあるはず。

『雪の日に』
雪がはげしく ふりつづける
雪の白さを こらえながら

欺きやすい 雪の白さ
誰もが信じる 雪の白さ
信じられている雪は せつない

どこに 純白な心など あろう
どこに 汚れぬ雪など あろう

雪がはげしく ふりつづける
うわべの白さで 輝きながら
うわべの白さを こらえながら

雪は 汚れぬものとして
いつまでも白いものとして
空の高みに 生まれたのだ
その悲しみを どうふらそう

雪はひとたび ふりはじめると
あとからあとから ふりつづく
雪の汚れをかくすため

純白を 花びらのように かさねていって
あとからあとから かさねていって
雪の汚れを かくすのだ

雪がはげしく ふりつづける
雪はおのれを どうしたら
欺かないで生きられるだろう
それが もはや
みずからの手に負えなくなってしまったかのように
雪ははげしく ふりつづける

雪の上に 雪が
その上から 雪が
たとえようのない 重さで
音もなく かさなってゆく
かさねられてゆく
かさなってゆく かさねられてゆく
吉野弘<感傷旅行>より

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