雑感(2014/02/07 新津春子さんの事)

雪が降るなんて騒いでたけど暖かい1日で拍子抜けした。残念なのは明日が雨の予報な事だ。少しづつ外れているのだから明日も外れてくれんじゃろか(^.^)

先日録画しておいた「プロフェッショナル 仕事の流儀 」を観た。2013／2014清潔な空港世界一を2年連続で受賞した羽田空港。それを下支えしている1人が、ビル清掃コンクール日本一の称号を持つ新津春子さん。清掃技能コンクールで日本一を最年少で受賞している清掃のプロだ。彼女曰く「やってることが清掃を超えた職人だと思ってる」。出社のたびに毎日欠かさないのが鉄アレイを使った筋トレ。総勢300人からいる清掃員を束ねる責任者の一人でもある。場面にカルキが付いて黒ずんだ冷水機が映し出される。汚れの種類によって使い分ける洗剤は80種類以上。まずは弱いアルカリ洗剤で軽く流す。ステンレスを痛めぬよう細心の注意を払いながら丹念に汚れを落とす。「材質に対して優しく掃除をしてあげる。」この辺りはクリーニング業界共通の意識だとは思うが。さらに冷水機の裏側の汚れにも目を配る。「常に清掃の職人であれ！」と自らに言い聞かせる彼女。「ただ綺麗にするのでは無く、気配りこそが重要だ」と言う。ちっちゃいお子さんが這って遊んだりするのでアレルギーとかに注意しなければならないと空港ロビーの床をじっと見つめる彼女。彼女が大切にしている流儀とは『「やさしさ」で清掃する。心を込めないと出来ない。』「私たちが毎日丁寧にやることでお客様もゴミを捨てにくくなる。」

日本人残留孤児の父親と中国人の間に生まれ、中国では日本人は帰れといじめられ、日本に来たら中国人は帰れといじめられた。雇ってもらえた清掃のアルバイト。存在を認められず悩んだ。23歳で羽田の清掃員として働くようになって転機を迎えた。清掃のプロの上司に出会えた事だ。常に言われたのは「もっと心を込めなさい」。心なんて見えないものだし、どうすればいいのかと悩んだそうだ。3年後、その上司にすすめられた「全国清掃技能選手権に参加してみませんか」と。自分では絶対勝てると思っていた予選会で、まさかの2位。上司に言われたのは「心に余裕がないと、良い掃除は出来ませんよ」。自分で綺麗になったかを判断するのでは無く、掃除を依頼した人が綺麗だと納得していますか？その場を使う人を思いやる気持ち、見えない場所、匂いまで気を配る事が出来ていたか？ 2ヶ月後、思いを新たに臨んだ全国選手権で優勝する事が出来た。上司に報告したら「優勝するのはわかってましたよ！」との言葉。何年間も、いちども褒められた事のなかった上司から初めて褒められた瞬間だ。その時を思い出し、今でも涙を流す彼女に感動した。(^o^)
彼女を見ていて思ったのは「忘己利他(もうこりた)」己を忘れて、他を利するは、慈悲の極みなりと云う言葉。「この人には絶対神様が付いてなきゃいけないし、美しい子供を育てる女性！幸せになって欲しいな」と正直思いましたわ(^_−)−☆

「便所掃除」濱口國雄
扉をあけます
頭のしんまでくさくなります
まともに見ることが出来ません
神経までしびれる悲しいよごしかたです
澄んだ夜明けの空気もくさくします
掃除がいっぺんにいやになります
むかつくようなババ糞がかけてあります

どうして落着いてしてくれないのでしょう
けつの穴でも曲がっているのでしょう
それともよっぽどあわてたのでしょう
おこったところで美しくなりません
美しくするのが僕らの務めです
美しい世の中も こんな処から出発するのでしょう

くちびるを噛みしめ 戸のさんに足をかけます
静かに水を流します
ババ糞に おそるおそる箒をあてます
ポトン ポトン 便壺に落ちます
ガス弾が 鼻の頭で破裂したほど 苦しい空気が発散します
心臓 爪の先までくさくします
落とすたびに糞がはね上がって弱ります

かわいた糞はなかなかとれません
たわしに砂をつけます
手を突き入れて磨きます
汚水が顔にかかります
くちびるにもつきます
そんな事にかまっていられません
ゴリゴリ美しくするのが目的です
その手でエロ文 ぬりつけた糞も落とします
大きな性器も落とします

朝風が壺から顔をなぜ上げます
心も糞になれて来ます
水を流します
心に しみた臭みを流すほど 流します
雑巾でふきます
キンカクシのうらまで丁寧にふきます
社会悪をふきとる思いで力いっぱいふきます

もう一度水をかけます
雑巾で仕上げをいたします
クレゾール液をまきます
白い乳液から新鮮な一瞬が流れます
静かな うれしい気持ちですわっています
朝の光が便器に反射します
クレゾール液が 糞壺の中から七色の光で照らします
便所を美しくする娘は
美しい子供をうむ といった母を思い出します
僕は男です
美しい妻に会えるかも知れません
＜濱口國雄詩集＞

コメント 25

今日は、いいお話で、ありがとうございます。便所掃除の詩も久しぶりに読んで、ああああと思い直しました。
by 足立sunny (2015-02-08 03:29) 

神経までしびれる悲しいよごしかた
本当に、
どうしてそういう悲しいよごし方をする人がいるのだろう・・・
と思います。
by su-nya (2015-02-08 06:11) 

昨日、私も偶然この番組を観ました。
プロの仕事に感動しました☆
by momo (2015-02-08 06:57) 

知らない人の汚れは嫌ですねえ…
家族の汚れはまあ仕方なく…
猫のトイレ掃除は全く苦になりません(^^;)

空港に来る人を優しく思う…
なかなか出来ないことです
考えさせられました
by Chobi.H.YAOITA (2015-02-08 10:48) 

足立sunnyさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

どんな仕事でもプロフェッショナルと呼ばれる人には憧れます(^o^)
一人一人がプライドを持ち手を抜かずに、誰かに喜んでもらえる仕事に喜びを感じる。時々、ビフォーアフターで匠がリフォームやってるのも好きで見てますけど、リフォームしてもらった家族が泣いて「ありがとう」と言ってるのを聞くたびに、俺は誰かに泣いて喜んでもらえた事なんてあっただろうかと情けなくなります(^o^)
by アビッチ３号 (2015-02-08 21:17) 

su-nyaさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

この詩が書かれた時代は1953年頃です。和式でポッチャンでちり紙も粗悪品で。20年くらい前まで呑み屋街の公衆便所、公園の便所だってメチャメチャ汚かったように思います。特急のトイレだってビックリする事ありましたもの（＾ω＾） でも最近は、どこもキレイになったような気がします。汚いと人が寄り付きませんしね(^.^) 時々ゴルフ場のトイレでビッグベンが流れずに詰まってる時ありますけどね。その時は「ちきしょう！やりやがったな(♯｀∧´)」と掃除して出るようにしてますけど(^_−)−☆
by アビッチ３号 (2015-02-08 21:36) 

momoさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

汚れを見つけると、実に笑顔になれる彼女。仕事を楽しんでる姿勢は見習わなきゃだと、素直に思いました(^o^)
by アビッチ３号 (2015-02-08 21:52) 

Chobiさん＞nice＆コメントどうもです(^.^)

無臭ならばまだしも(^.^) 臭いはキツいです。間違いなく吐きそうになりそうですものね。でも次の日、気持ちよく暮らすためには綺麗にしてあげないとなりません（＾ω＾） 自分の心を磨くためにも、率先して便所掃除しないとですね。そんな壁に塗りつけたようなウンチに便器いっぱいに吐かれた汚物とか見たら、私自身出来るかどうか自信はありませんけど(^_−)−☆

by アビッチ３号 (2015-02-08 22:03) 

(。・_・。)２ｋ さん、tweet-2さん、ryo1216さん、あんれにさん、いっぷくさん、響さん、向日葵さん、kazgさん、ゆうのすけさん、kurakichiさん、おでかけさん、ハマコウさん、neo-kaminewsさん、Silvermacさん、やってみよう♪さん、ビタースイートさん、ハレルヤさん、xml_xslさん、AKIさん、楽しく生きようさん、enosanさん、one_and_onlyさん、newsboxさん、とし＠黒猫さん、tyapiさん、okin-02さん、sugoimonoさん、akihiro-sさん、ネオ・アッキーさん、さらまわしさん、二郎三郎さん、ippoさん、isoshijimiさん、tommy88さん、donさん、sarusanさん、マメ三さん、Hiroさん、たくやさん、ブラザー★ボブさん、たぬぽさん、風花六花さん、さくら君さん、tarouさん、げいなうさん、電気男さん、Ctuまことさん、JIJIさん＞niceどうもです！(^.^)
by アビッチ３号 (2015-02-09 06:35) 

番組は見ていませんが、面白そうです。
便所掃除の詩にも、心が動きました。
by cafelamama (2015-02-09 07:14) 

便所掃除の詩、ホントについ最近、話題にする機会があって、そのあと、このNHK番組を観ました。記事にしていただき、改めて感銘を覚えました。
by kazg (2015-02-09 09:52) 

cafelamamaさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

仕事の流儀他NHKの番組作りは面白いモノが多いと思ってます。最近では子供番組ですけど「ワラッチャオ」とか新鮮です(^.^)
この詩の作者は石川県金沢駅で働かれていた方のようです。茨木のり子さんの解説によれば特にラストの4行が素晴らしいのだそうです。私もそう思いました(^_−)−☆
by アビッチ３号 (2015-02-09 12:14) 

kazgさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

どんな仕事であれ、ひたすら打ち込む姿勢には心を動かされます。私も負けてはいられません。まだ邪念が多いので修行せねばなりませんけど(^_−)−☆
by アビッチ３号 (2015-02-09 12:21) 

「便所掃除」の詩は新採当時から道徳でよく生徒に紹介していました。大好きな詩の一つです。
この授業をすると子どもたちの掃除に対する気持がすごく良い方向に変わります。

by muk (2015-02-09 16:57) 

mukさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

子供はウンチの話しは大好きですものね(^o^) 最近の学校に出かけた事がないのでわかりませんが学校のトイレも水洗だったりするのでしょうね。なかなかポッとん便所や時代背景も違ってるでしょうから大変だとは思いますが、最後の4行を素敵だと思ってもらいたいです。
解釈は自由ですけどね(^_−)−☆
by アビッチ３号 (2015-02-09 21:10) 

たかおじーさん、sora_pさん、シルフさん、MONSTER ZEROさん、ソニックマイヅルさん、Cherryさん、まきさん、mamaluさん、ENOさん、trending-nowさん、aopaさん＞niceどうもです！(^.^)
by アビッチ３号 (2015-02-09 21:20) 

陰から支えてくれる方がいるから
気持ち良く使えること、忘れてはいけませんね。
気づかせてもらいました。
番組、知らなくて残念です。

by さーかな (2015-02-09 21:53) 

さーかなさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

何気なく気持ちよく過ごせる場所である事。ディズニーもそうですが、清潔さを保つ工夫を地道に継続している事業者もまた、素晴らしいおもてなしの心を持っていると思います。彼女が「このトイレがきれいですよねって、それで十分でないですか。誰がやったからじゃなくて、この空港がきれいですよねって、それで十分でないですか(^_^) (訪れた)人たちがいい日でありますように」と話してました。そういう誇りを持った人間が多くいる会社は強いですよね(^_−)−☆
by アビッチ３号 (2015-02-10 05:17) 

110さん＞niceどうもです！(^_^)
by アビッチ３号 (2015-02-10 05:18) 

あれだけ広い所を清潔に保つのは
並大抵ではありませんね。
素敵な上司に出会えて良かった。
by desidesi (2015-02-10 06:55) 

desidesiさん＞nice＆コメントどうもです！(^.^)

本当ですね(^_^) 一度っきりの人生、人との出会いで、その振れ幅は大きく変わるのかもしれません。私も面倒臭い先輩に、やいのやいの言われた事もありますし、フォローしてもらった事もあり過ぎるくらいです(^_^) お客様と会社の信頼関係を守るためだったとは思いますが、助けられました(^_−)−☆
by アビッチ３号 (2015-02-11 07:53) 

みぃにゃんさん、モカさん、ぼんさんさん、tossyさん、ぼんぼちぼちぼちさん、siroyagi2さん、DONさん、まっつんさん、Aちゃんさん、namio1173さん＞niceどうもです！(^.^)
by アビッチ３号 (2015-02-11 07:57) 

モリガメさん、めいさん、nonaさん、NOIRさん、ちくわさん、Ujiki.oOさん＞niceどうもです！(^.^)
by アビッチ３号 (2015-02-12 13:58) 

COPPさん＞niceどうもです！(^.^)
by アビッチ３号 (2015-02-26 08:04) 

タケサバスさん>niceどうもです！(^.^)
by アビッチ３号 (2015-09-01 03:46)